こちらでは、ケンブリッジ大学の各カレッジで開催される「フォーマルディナー」についてお伝えします。
ケンブリッジ大学には31のカレッジがありますが、このカレッジ制度はちょっと特殊です。
オックスフォードも同様にこのカレッジ制を導入してるんですよ。
「フォーマルディナー」とは、ケンブリッジ大学の各カレッジのダイニングホールで行われる晩餐会のことです。
開催頻度は、カレッジによって違いますが、筆者が知るカレッジでは、月2回、開催されています。
毎日フォーマルディナーを開催するカレッジもあるそうですよ。
実は、ケンブリッジ大学のフォーマルディナーは大変興味深いイベントなんです。
イメージとしては、「ハリーポッター」の夕食のような…あの食堂の雰囲気です。
キングスカレッジは特にホグワーツの雰囲気に似ているので、人気があり、チケットはすぐに完売されます。
カレッジのダイニングルームで、学生や教授が贅沢な食事と交流を楽しむイベント、フォーマルディナー!
この、特別な一夜を学生たちはしばし学問を忘れて、楽しむのです。
こちらでは、ケンブリッジ大学の「フォーマルディナー」の詳細と、筆者が参加した感想を記します。
カレッジごとに開催されるイベントなので、他のカレッジとは少し違う点もあるかも知れませんが、筆者の体験をお話しますね。
ハリーポッターのような食堂?ケンブリッジ大学の「フォーマルディナー」
ケンブリッジ大学の「フォーマルディナー」の詳細と、筆者が参加した感想をお伝えしますね。
参加の条件は?
- 参加条件:
ケンブリッジ大学には31のカレッジがあります。
各カレッジに所属する学生のほか、学生の招待で、家族や友人も参加することが出来ます。
完全予約制になっていますので、学生が人数分の予約をします。
学生は、自分のガウンを持っており、黒いガウンを羽織って晩さん会に参加します。
キングズカレッジはガウンを着なくてもいいそうです。
筆者は、夫の留学時代に家族として参加しました。
フォーマルディナーの種別や料金は?
- フォーマルディナーの種別:
カレッジごとに異なりますが、
.通常のフォーマルディナーは、週1から月2回ほど開催されます。
.日曜に開催されるサンデーフォーマル。
.季節ごとに大きなイベントのフォーマルディナーがあります。
ハロウィンフォーマルディナー
クリスマスフォーマルディナー
イースターフォーマルディナー
など
- ディナー代金:
カレッジごとに異なりますが、
筆者が参加した通常のフォーマルディナーは20ポンド未満(約3000円以下)でしたよ。
学園の外のレストランよりお安くコース料理がいただけました!
ドレスコードはどうなってるの?
- ドレスコードとは?
フォーマルディナーに参加するには、正装が必要です。
.男性はスーツにBlack Tie(ブラック・タイ)かネクタイが必須。
.女性はエレガントなドレスやアクセサリーを身に着けます。
.カレッジに所属する学生は、上から黒いガウンを着用しなければなりません。
伝統のある建築様式のダイニング(まるで『ハリーポッター』のような…)と、黒いガウン!
その独特の雰囲気は、まるで「何年も前の大学の世界」に迷い込んだような気分を味わうことができました。
筆者の参加したフォーマルディナーは、多少カジュアルでもOKでしたので、よそ行きのワンピースで出席しましたよ。
フォーマルディナーの習慣と魅力
フォーマルディナーは、ケンブリッジ大学の学生にとって特別な時間ですが、伝統的な習慣が今もずいぶん残っているのが魅力です。
- 学生たちは、いつものカジュアルな服装ではなく、美しいドレスやかっこいいスーツに身を包み、ディナーに参加します。(前出)
- ケンブリッジらしい歴史の重みある厳かな建築様式のダイニングの中、美しいテーブルセッティングで特別なメニューが提供され、テーブルマナーが要求されます。
また、通常にはない習慣がいくつかあります。
大きな違いは、ハイテーブルのメンバーに対する一般の参加者のリスペクトです。
- ハイテーブル:
ダイニングホールには、一段高い位置にハイテーブルがあります。
このハイテーブルは特別な席なんです。
ホールの一番奥にあり、横向きにこちらを向いて並んでいます。
(ハリー・ポッターのダンブルドア学長や、マクゴナグル教授が座る、あの位置です)
ここにはカレッジ長である学長、上席の教授、また特別に招待された人だけが座ることができます。
(学生が招待されることもあるそうですよ。)
教授、一般の学生やその家族・友人のテーブルは全て縦向きです。
(ハリーやロン、ハーマイオニーの席ですネ。)
- 入室
.ハイテーブルのメンバーが入室する時には、ダイニングホールの参加者は起立し、沈黙します。
- 祈り
.ハイテーブルの最も高い地位の人がラテン語で祈りを唱えます。
.ハイテーブルのメンバーが全員、着席したら、他の参加者も着席し、会話をすることができます。
- 退席
ハイテーブルのメンバーが退室する時には、入室の時と同様、参加者全員が起立して沈黙します。
ハイテーブルのメンバーがホールを出ると、着席し、会話が出来ます。
※ハイテーブルのメンバーは全員がガウンを羽織っており、一般の参加者の出入り口は使いません。
ハイテーブルの近くのドアから入退室します。
この「厳かな起立と沈黙」が、まるで映画のワンシーンに入り込んだかのような気分でしたよ。
メニューは?
フォーマルディナーのメニューは通常の時と、特別なフォーマルディナーの時では違うようです。
こちらは、通常のフォーマルディナーのメニューです。
(筆者は、月に二回ある、通常のフォーマルディナーに参加しました。)
- コースメニューでした!
.パンとバター
.スターター(スープまたはムース)
.メイン(肉料理+やさい添え)
.デザート
.コーヒー
通常のフォーマルディナーでは、ワインの提供はありませんので、飲みたい人は、持ち込みが可能です。
フォーマルディナーに参加した筆者の感想
美味しかったです!でも、緊張しました。
筆者の時、スターターは、スープでした。(ムースも食べたかったなぁ。)
メインはポークでした。(チキンやビーフの時もあるそうです)
ハリーポッターのホグワーツのような空間で食事が出来たことに感動しました!
※特別なフォーマルディナーでは、ワインが飲み放題、振る舞われます。
また、特別なフォーマルディナーでは、デザートの後に、チーズ台(まな板のような)に載せられたチーズが回ってきますので、自分でスライスしていただきます。
夫は、入学式に当たる、特別なフォーマルディナーにも参加したことがあるのですが、料理がもう少し、豪華になり、ワインが振る舞われ、チーズがいただける点が違ったそうです。
楽しみ方のポイントは?
フォーマルディナーの楽しみ方は人それぞれですが、学問を忘れて社交を楽しむことでしょうか。
美味しい料理を楽しみながら、教授や友達との会話を楽しむことも学園生活の大切な思い出になるでしょう。
学生の中には、31のカレッジ全てのフォーマルディナーを制覇する人もいるそうです。
(他のカレッジに所属する友人、知り合いに招待してもらう必要がありますが)
他のカレッジの友人がたくさん出来そう!いいですね。
フォーマルディナーで出された食器を間違えて持ち帰る人もいるんですって!
(そのカレッジの名前とエンブレムが付いてるからコレクションアイテムになる?)
でも、これは違反なので、間違えないようにしましょう。
また、食堂が小さかったり、月一回しかフォーマルディナーを開催しないカレッジは競争率が高いため、チケットの転売なども存在するそうですよ。
やはり、すごく人気があるようですね!ケンブリッジ大学のフォーマルディナー。
ケンブリッジ大学の「フォーマルディナー」は、ハリーポッターの食堂みたい? のまとめ
筆者の隣には、ある学科の教授が座られました。
ここで私は大失敗をしてしまいました。
外側から3種類のナイフ、フォークを順番に中側へ使うことまでは順調に運んだのですが、、、。
気が付くと、筆者は教授のパンを食べていたのです。
もう片方の隣のパンが最後に余っていることに気が付きましたが、すでに食事は終わっていました。
きっと教授は気が付いていらしたことでしょう。
というより、教授はこの日はパンがなかったことになります。
大失敗の巻、、、次回は気を付けます。
でも、もう、次回はないんですけどね。
ケンブリッジ大学のフォーマルディナーは異空間に居るような、大変興味深いイベントでした。
伝統を大切にする大学の習慣に触れることが出来ました。
しかし、フォーマルディナーは正装して、美味しい料理と楽しい交流を楽しむ、ただの華やかなパーティーではありません。
いつも学問に忙しい学生たちは、ちょっぴりトラディショナルなこの行事を緊張しながらも楽しみます。
教授や友人との距離が縮まり、交流が広がりますよ。
家族や友人まで招待されるんですよ、筆者は嬉しい体験をさせていただきました。
いつもと違う夕食と会話、この夜が、学生たちにとって貴重な思い出になることは間違いありません。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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